苗木城は木曽川の北岸に聳える城山(432m)にあります。木曽川から霧が立ち上り、タイミングによっては城郭が雲海に浮かぶ様相となります。この景色は「天空の城」と称されることもあります。城郭の主要部である内郭部分が約2万㎡、外郭部も含めると約35万㎡に達し、その内156.774㎡が、昭和56年(1981年)に国の史跡に指定されました。木曽川から山頂の天守跡までの標高差は約170mあり、本丸からは木曽川見下ろす美しい絶景はもちろん、中央アルプスのパノラマを楽しむことができます。山の周囲には巨岩の姿が目立ちます。苗木城はこの岩山の地形を有効に生かして造られた要塞と言えます。岩に制約され、利用できる土地の確保が困難であったため巨岩等を利用した建物の建築方法(懸造)をとっており、石垣には多種類の積み方が見られます。山の上に基礎構造物のみが遺る風景に、ジブリ映画の天空の城を思い出す人も少なくはないのではないでしょうか。
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